ミトラスフィアストーリー:プロローグ

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第0章 プロローグ

天空を巨大な”海”が覆う世界。『ミトラスフィア』

幼い頃に母を亡くし、ごく最近父親を『天海』で失ったあなたは、
残された妹との生活を守る為、あまたの雲を超え、帆空船で天海へと向かい、天海漁を決行する。

だが、幸先良く1匹目の獲物を捕らえた次の瞬間、激しい海流に飲み込まれ、船が転覆・・・

消えゆく意識の中であなたは、金色に輝く羊膜に包まれた、巨大な『龍の胎児』達を目撃する。


そのころ・・・
星屑山の頂上に一人の少女が、祈りを捧げていた・・・


「天海へと昇られた、かあさま・・・」
「不甲斐ない私に、どうか御力を・・・」

そう囁いていた次の瞬間、空より金色に輝く光の玉が舞い降りてきた。
その金色の光の玉は少女の元に降り立つと、光は弾け、中から一人の若者が姿を現した・・・

「……ど、どうなってるのよ?!」
「なんで空から…人?!」

天海より降りてきたあなたを見た少女は、驚きを隠せなかった。
気絶しているあなたが生きているのを確認すると、少女はほっとした。

「いったいなんなのよコイツ…」

あなたの恰好を見て、平地の民とわかった少女は戸惑いを覚えた。

「どうしよう…平地の民とは関わるなって、いつもヒルダに言われているし…」
「このまま放っておいたほうが…」

そう考えた少女は、その場を去ろうとした…その時だった!

「グオオオオオオオー!」

少女の目の前に、突如、魔物が襲い掛かってきたのだ!

「こ、今度は魔物!?どうしよう、ヒルダもいないのに…」

暗い闇の中であなたは少女の悲鳴を聞く・・・。
そしてあなたは立ち上がる!

少女を背にしたあなたは、うなり声をあげる魔物の前に立つ。
途切れそうになる意識を懸命につなぎ…あなたは武器を手にした。

あなたは一人で魔物に立ち向かい、武器で魔物たちを倒していく。
次々と魔物を倒していくあなたは、突如、光に包まれた!

「わっ……な、なに!?キミ、どうしたの!?」

次の瞬間、あなたの背に金色の大きな翼が現れ、強大な力を発揮したのです。
その力で最後の魔物を倒したのだった。

戦いが終わり、あなたの元に少女が近づいてくる。

「キミすごいじゃない!みんな倒しちゃうなんて…」

少女は興奮していた。

「えっと、その…あ、アリガト…おかげで助かったわ」

少女ははにかむようにお礼を言った。お礼を言うのに慣れていないようだ。
その証拠に、少女はそうそうに話題を変えようとする。

「ねぇ、それよりキミ…さっき、背中に羽が…」

少女に言われてあなたは、背中から翼が突き出した自分の姿を思い出す。
今、背中を振り返ってみても、そこには、何もない…

「キミっていったい…」

そう少女が話かけた瞬間、あなたは崩れるように倒れ込んだ。

「わっ、ちょっと大丈夫!?」

倒れ込むあなたを少女は支えた。そして、さっきの戦いで受けた傷を見つけたのだった。

「ひどい傷…さっきの魔物にやられたの?」

傷を見た少女は、思いついたように話かける。

「し……しょうがないわね……今回だけは特別よ!」
「私の里に連れて行ってあげるわ。手当てぐらいしてあげる」

そういうと、少女はあなたを立ち上がらせた。


「ほら、早く私の肩につかまりなさい」

そういって、少女はあなたを支え、歩き始めた。

「はぁ…よそ者なんて連れて帰ったら、またヒルダになんて言われちゃうか…」

そう言いながらも少女は、どこか嬉しさが顔に出ていた。
その次の瞬間・・・

「グオオオオオオオ!」

「きゃっ…!なに!?地震!?」

どこからともなく、魔物の咆哮が聞こえたと思いきや、地震が起きた!

「あ!しまっ……」

あなたは地震でバランスを崩した少女の肩を離れ、崖の方へ放り出される…

「うそっ…だ、だめぇーー!」

あなたの体は、崖の下の暗闇へ飲み込まれていく……

暗い闇の中で、ふわふわした何かが、あなたの体を包み込んでいる。
目を開けると1人の少女が心配そうにあなたの顔をのぞき込んでいる。


「サエンバエノ~♪」

少女は、目を覚ましたあなたを見て、満面の笑みを浮かべ抱きついてくる。
再びふわふわの感触があなたを包み込む…

「トスラッハウ~♪」

少女は身ぶり手ぶりで何かを伝えようとしているようだ。
少女に指をさされ、あなたは自分の体を見る。
傷だらけの体にいくつも布が巻き付けられている。
目の前の少女が手当てしてくれたようだ。
あなたは、自分に何があったのか、思い出そうとした…

天海漁の途中、船から放り出されてしまったあなたは…一人の少女と出会い…

「あっコイツこんな所に!」

突然、粗々しい男の声が耳に入った。

「…っ!?」

その声に少女は驚きを隠せなかった。

「俺たち空賊の船から逃げ出すなんざ、いい度胸じゃねぇか!」

突然、現れた男たちが少女の耳を掴み、引きずっている…

「お頭!脱走奴隷をつかまえやした!」

「よし…連れていけ」

お頭と呼ばれた男は冷静にそういうと、男たちは少女を乱暴に連れ去ろうとした。

「ううぅ……」

明らかに少女は嫌がっている。
その光景をあなたは睨むように見つめている。

「ん?何見てんだテメェ!文句でもあんのか?」

「その手を離せ!」

あなたは男たちにそう言い放った。

「うるせぇな、ガタガタぬかしてんじゃね!関係ないやつは、ひっこんでろ!」

そういうと、男たちは持っていた武器であなたに襲い掛かる。
あなたは不覚にも攻撃を受けてしまい、倒れ込んでしまった。

「へっ 口だけかっウスノロが!」

「さっさと…行くぞ」

男たちは少女を連れて、その場から立ち去ろうとしていた。

連れ去られる少女の、その顔を見た、あなたは……

「ニャフフ…そんなんじゃ女の子一人救えないネキ」
「困った時、苦しい時…そんな時…いつもあなたのおそばに!」
「おなじみネキア商会ネキ~」


突然、帽子をかぶったおかしな女性があなたの前に現れた。

「アンさん…今アイツらに立ち向かう、もーっと強い武器が欲しいと思ってるネキ?」

そういうと、どこからともなく、様々な武器をあなたに差し出した。

「これを装備したら、ひ弱そうなアンさんでもカッコよく見えるネキ!」

あなたはネキア商人からもらった武器を手にし、空賊たちに立ち向かったのだった。
そして、あなたは男たちを倒したのです。

「な、なんだコイツ……!」

ひるんだ空賊たちは仲間たちを呼ぼうとした。が、お頭がそれを許さなかった。

「おい、お前……お前の顔、覚えたぞ。しっかりとな……」

そう言って、空賊たちはその場から逃げて行ったのだった。

「バヤルルラ~♪」

少女はとても喜んで、あなたに飛びついた。

「『バヤルルラ』は北の方の言葉で『ありがとう』ネキ」

ネキア商人は、この少女の言葉がわかるらしく、通訳をしてくれた。

「それより、早く逃げた方がいいネキ!あいつらがまた連れ戻しにくるかもしれないネキ!」

少女は何度もあなたの手を握ると、なごりおしそうに、手をふって去っていった…

ネキア商人があなたのそばに近づいてくる。

「いや~、アンさん、なかなかやるネキね!」
「アンさん、もしかしてジョバリの森から来たネキ?森の匂いがするネキ!」

ネキア商人が指し示した方を振り返ると遠くにうっそうと茂る森があった。
どうやら崖から落ちた後、もうろうとなりながら、ここまで来たようだ。

ネキア商人は続けざまに話かけた。

「あの森はジョバリの民がいて、とっても危険ネキ!生きて出てくるなんてすごいネキ!」
「ジョバリの民はその昔……平地の民に追いやられてから、ずっと森に住んでるらしいネキ」
「……腹いせに獲物狩りと称して、平地の民をさらってたとか!」
「怖いネキ~!」

ネキア商人はなぜか笑顔でジョバリの民の説明をする。

「まっ……今のは昔話。もう長い間、襲撃なんてないネキ」

そういうと、ふと何かを思い出したような顔をした。

「あっそうだ!」
「さっき貸してやった武器の代金、きっちり返すネキ~」

あなたは何を言っているのかわからなかった。

「使っていいとは言ったけど……タダでやるとは言ってないネキ~」

しかし、そうは言われてもあなたには払う代金など、当然持ち合わせてはいない。
それを知っていたのか、ネキア商人は話を続けた。

「さっき見たネキよ。アンさんの懐でキラリと光るとんでもないレアアイテム……!」

そう言って、あなたのポケットを指さした。
あなたはポケットに手を突っ込み、中に入っている『何か』を取り出した。
それを見たネキア商人は驚きの顔になった。


「これぞ伝説のミトラスフィア!天海を封じ込めたと言われる、幻の一品……!」

「こ、こんな一品をどこで手に入れたんネキァ!?」

さすがのネキア商人もはじめて見たのか、かなり驚いていた。
しかし、当然あなたも驚いた。
こんな物を手に入れた記憶などなかったからだ。

(この美しい輝きを放つ宝玉はいったい……?)

あなたは何が起こっているのか、全くわからなかった。

「これを求めて天海に消えた帆空船は数知れず……これを手に入れたらネキは…とんでもない大もうけができ…」

「獲物狩りだー!ジョバリの民が来たぞー!」

ネキア商人の言葉をかき消すように、街の人のさけび声が聞こえた。

ドドドドドドーーッ!

突如、群集から悲鳴が上がり、馬のいななきが通りの人群れを切り裂いた!
あなたの前にジョバリの民と呼ばれる者たちが姿を現す…

「さぁ姫様!この中から一人、姫様に見合う獲物を狩るのです!」

スラッとした女性は、並んで歩く小さき少女にそう話かける。
しかし、少女はやや機嫌が悪そうな顔をしている。

「……イヤよ!」
「やっぱりイヤ!今時獲物狩りなんて!」

少女はイラだっていた。

「姫様が「やる」とおっしゃったのです!森の為には、いたし方ないと……」

一緒にいる女性は困りはてた顔をして、話続けた。

「そのようなワガママを…だいたい姫様はいつも……」

そう女性が話かけているのをよそに、少女はあなたの方を向いた。
それに気づいたあなたは少女を見て…はっとした。
少女は知っている顔だった。
そう…天海から落ちたあなたが最初に出会ったあの少女だった。


「……キ、キミは!!」

あなたに気づいた少女は嬉しそうにあなたに近づいてきた。

「こ、こいつにするわ!」

「……えっ??」

女性は驚きを隠せない。

「そ、そんな適当な……!姫様と見合うのはもっと屈強で賢く……」
「どんなワガママも笑顔で耐えれる人でなければ!」

少女の突然の話に女性は焦りを覚えていた。

「もう決めたの!キミ、いくわよ!」
「特別に里へ連れてってあげるって言ったわよね?」
「ジョバリの女王は約束は忘れないのよ!さぁ行くわよ!」

そういうと、あなたの手を引っ張り、森へ帰っていく…

「姫様!?ちょ…姫様ー!」

すかさず女性も、少女の後を追いかける……

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